破産申立したら財産全て失ってしまうの?

仕事のこと
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破産申立・・・多重債務から脱出する最終手段です。
裁判所を通して手続きと聞くと、本当のところどうなんだろう?

財産全て失わなければならないのだろか?というイメージですが、本当のところは、ちょっと違います。

今日は、そのお話。

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破産申立ってそもそも何?

皆さん、「破産、破産」と言いますが、正式には
「破産手続開始の申立」と言います。
これは、裁判所に対して、債務者=多重債務者が、債権者=お金を貸してくれた、あるいは立て替えてくれた業者や人へ「継続的に支払いができない=支払不能」の状態になったので、破産手続きの開始をして欲しいと求める訴訟行為です。

昔は、「破産宣告」と言っていましたが、平成17年から「破産手続開始決定」というようになりました。

破産手続開始決定が出たらどうなるのか?

破産手続開始決定が出た後については、その時の体重債務者の財産状況により大きく2つに分かれます。

財産が殆どない場合は、同時廃止事件

ここでいう、財産がほとんどないという状態は、

現金20万円以下
預貯金合計50万円以下、ただし定期預金は20万円以下(この辺は、管轄の裁判所によって運用が違ったりするので、弁護士に要確認)
保険の解約返戻金の合計が20万円以下
自動車の査定額が20万円以下(自動車の査定としては、外車・新車価格300万円以下の普通乗用車なら、初年度登録から7年、軽自動車なら5年で査定額0円となります)
現在の退職金額の8分の1の額が20万円以下(ただし、退職を間近に控えているなどの事情があれば、4分の1額以上の額になる可能性も)
賃貸借物件の敷金返還金額が60万円以下
有価証券20万円以下
その他貴金属類の時価が20万円以下
所有不動産がオーバーローンであること

という条件をクリアできる状態です。

こうなってくると、「本当に換価(お金に換える)して、債権者に配当できるほどの財産が無い」とみなされ、破産開始決定と同時に破産手続を廃止する
すなわち、同時廃止という事件になります。

 

では同時廃止とはちがう手続きは?

管轄の裁判所にもよりますが、財産が殆ど無いと、書面だけでの審査で破産手続が終わります。

なので、申立する人の大半は裁判所に行かずに破産できてしまうのです。

もし、先に出た条件を一つでもクリアできないと、管財人(申立した時とは別の事務所の弁護士、裁判所が選任します)が付く、管財事件となります。

上記条件がクリアできないだけでなく、浪費やギャンブルなど、破産に至った事情に問題がある人も裁判所から管財人を選任されることがあります。

破産手続開始決定が出るところまでは、同時廃止事件と同じなのですが、その後、管財人との面談が待っています。

もちろん、一人で管財人の事務所に行くわけでなく、申立代理人の弁護士も一緒に同席するので、そんなに緊張する必要はありません。

破産手続き開始決定から大体3か月後くらいに、申立した裁判所で「第1回債権者集会」が行われます。

債権者集会と聞くと、債権者が全員出席してきて、
「お金を返せ!」とか言われるのではないかと思いますが、債権者、特に金融業者が来ることは本当に稀です。

個人の債権者なら来ることもありますが、申立代理人、管財人、裁判官、書記官もおり、1対1で会う訳ではないので、そんなに気にする必要はありません。

 

その集会で何が行われるかというと、管財人が調査した財産の結果、破産者の免責についての意見などを説明し、集会は終了します。
時間にして、大体30分程度でしょうか。
大半の管財事件はここで終了し、あとは免責決定が出で終了となります。

管財人のお仕事は?

さて、この管財人のお仕事はというと、簡単に言うと、

  • 破産者(破産手続開始決定後は、多重債務者のことを手続上こう呼びます)の財産を管理し、お金に換えて、債権者に債権額の割合に応じて配当する

という役割になります。

あと、管財人が就く破産事件は、破産者宛の郵便物は、全て、嘱託回送という手続きにより、事件終了まで全て管財人のところへ転送され、管財人が開封。これにより、破産申立の時に提出された目録から漏れている財産が無いか、債権者リストに挙がっていない債権者がいないか確認されます。

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管財事件になると、財産全て配当に回されるのか?

管財人か付いたからといって、身ぐるみ剥がれるように、財産を全部持っていかれる訳ではありません。

同時廃止事件の条件をクリアできるほど財産が無いという訳ではありませんが、預貯金、保険の解約返戻金、自動車の価格、退職金の8分の1の額、敷金返還請求権(原状回復費用として60万円を控除した後の額)を合計して、99万円までは換価をせずに、破産者に残しておくという「自由財産(破産者が自由に管理処分できる財産)拡張の申立」という手続きが取れます。

例えば、

預貯金 合計30万円
保険の解約返戻金 合計30万円
普通自動車は初年度登録から7年以上経過(評価額0円)
現在の退職金額が200万円、8分の1にすると25万円の評価額

これを合計すると、85万円になるので、このケースだと全て換価せずに、残すということが出来ます。

ただ、これとは別途裁判所への予納金として、20万円ほどが必要になります。

財産を残したいのであれば個人再生が良いのでは?

上記の説明を受けて、個人再生手続きを知っている人であれば、「財産を残したいなら、個人再生手続きで良いのでは?」と思うかもしれませんが、はっきり言って、個人再生手続きは、

持ち家がある
3年から5年かけて一部の債務を支払ってでも残したい財産が99万円以上ある

という人でないと、あまりメリットはありません。

こういうと、語弊がありますが、

申立時に持っている財産が、20万0001円以上99万円以下なら、破産申立の弁護士費用と裁判所への予納金20数万円を払ってしまえば、残りの債務は免除されることになるのです。

中には、自己破産をすると根こそぎ取られるのではと思う方もいますが、99万円までは財産を残すことができますので、多重債務でお困りの方は、早めに弁護士に相談して、しかるべき対処をされた方が、督促も止まることですし、精神的にも安定した生活を送ることができます。

督促が止まり、返済の必要が無くなってから改めて、家計収支を付けることにより、家計の問題点などを見つめて、経済的再生を図ることが大切です。

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