判決出たら、すぐに出ていく?
さて、家主側に勝訴判決が出たとします。
本来であれば、ここで、「家を借りていた人は出ていくのがあたりまえ。」となるのですが、中にはちゃんと出て行かない人もいます。
そうなったらどうするか。
強制執行という「判決あるから、出てってー」という手続きに移ります。
執行ってなに?
執行とは、判決の内容を実現させることといえばよいでしょうか。
よく、建物明渡訴訟の判決文には、
- 被告は別紙物件目録の建物を明け渡せ
- 被告は〇〇円を支払え
という内容が記載されます。この内容に従って、家を借りている人が自発的に出て行ってくれたら良いのですが、中には出て行かない人、行方不明になっている人など、なかなか出て行ってくれないというのが実情です。
なので、今度は判決文をもとに、建物明渡の強制執行を行うのです。
どうやって執行するの?
ちょっとこまごましたものは省略しますが、家主側が「不動産明け渡しの強制執行申立」と「動産に対する強制執行申立」をセットで裁判所の中にある「執行官室」というところに行います。
不動産の明渡だけでよいのでは?と思うかもしれませんが、動産に対する執行も行って、初めて建物の中をカラにできるということ、加えて、もし、建物の中にそこそこの価値のあるものがあれば、それを差し押さえて、滞納家賃に充てるということも考えて行うのです。
申立書の中身を確認して、執行官から何日に「催告に行きます」等の打ち合わせをします。
ちなみに、「催告」とは、いったん、被告のところへ行って、「〇月〇日に明け渡しの強制執行をするので、それまでに出て行って」という内容の文書を渡します。
ちなみに、執行官は原告側と打ち合わせの際に「合鍵はあるか?」等の打ち合わせもするので、催告の日に、留守にしていても家主側がカギを持っていたら、それを使って入りますし、鍵が無ければ鍵屋を連れて行って鍵を開けるということもします。
家に入って何するの?
建物内に入った執行官は、部屋の中にあるものを見て、差し押さえできるかどうか判断します。
でも、実際は生活必需品に対しては、差し押さえ禁止となっているので、私の経験する中で、個人の部屋の中にあったものを差し押さえるということはありません。
催告のあとは
催告の約1か月後に実際の明渡執行になります。
大体の人は、それまでに出て行ってくれるので、明渡執行は短時間で終わるのですが、行方不明になっている人はそれもできないので、実際に中の家財道具(行方不明になっていて日常使っているという実態にないものは差し押さえOK)を運び出して、鍵を変えるということを行っているようです。
実際には、執行の際には大家さんあるいは、管理会社の方に立ち合いをお願いしているケースが多いので、事務員側から見ると、「申し立てして問題なければそのまま終わる」というイメージです。
実際に自分が立ち合いをしてみて
10年くらい前に、実際に家主さんの代わりに執行の立会に行ったことがあります。
催告までは、自分は全然かかわっていなかったので、何もわからなかったのですが、明渡の執行に行ってみると、家財道具は持って行っていたが、部屋の中などがひどい有様になっていて、土足でそのまま中に上がった記憶があります。
行く前は、「部屋を借りている人が出て行かないと、抵抗したらどうしようか」とドキドキしていたのですが、実際に行ってみると誰もおらず、執行官と淡々と部屋の中を見るだけで、終わったという記憶です。
大家さんにとってはかなり痛い
大家さんにとっては、家賃滞納している人が出て行ってめでたしという結末ですが、費用を思うと結構痛いだろうなと思います。
実際問題、訴訟費用(着手金で数十万)、執行費用(大体10万くらい。ただし、中の家財道具類も処分となると実費負担)とかかってきます。
滞納家賃も、全部回収することはなかなか難しいというのが実情です。


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